医療法人社団 苑田会
ナーシングホームそのだ
( 介護複合型施設・訪問看護ステーション )
理想的な在宅支援の実現には、「働く職員の情熱」と「病院との連携」が大切ですよね。「ナーシングホームそのだ」は、建物内に3つの事業所が集まる高齢者複合型施設。「医療法人社団 苑田会」の一員である強みを活かして、幅広い医療・介護ニーズに応えられる体制を整え、医療依存度が高い方や看取り希望の方も積極的に受け入れているそうです。地域に密着したサービスを目指し、オリジナルの取り組みも充実させているそうなので、さっそく見学に行ってきます!
- 形 態
- 介護複合型施設・訪問看護ステーション
- 所在地
- 東京都足立区/竹ノ塚駅
玄関
「ナーシングホームそのだ」へのアクセスは、「竹ノ塚駅」からバスに乗り、「第四都営住宅」バス停で下車して徒歩5分。玄関では、施設内の居宅介護支援事業所に勤務するケアマネージャーさんが迎えてくれました。玄関前の「そのだコーヒー」の看板、目を引きますね。「そうでしょう?地域交流スペースにコーヒーマシンを設置し、近隣住民の方が利用できるコミュニティカフェを運営しているんですよ」。
玄関ロビー
施設全体を管理する渡部所長にお会いし、案内図を見せていただきました。「施設内には3つの事業所が集まっていて、看護小規模多機能型居宅介護(通称/看多機)が2F・3Fに、居宅介護支援事業所が3Fに、訪問看護ステーションが4Fにあります。大きな特徴は、24時間看護師が常駐し、苑田会グループの病院との連携体制を活かして、医療依存度が高い方や看取り希望の方なども受け入れていることです」と、所長。
地域交流スペース
地域交流スペースでは、夏祭りが開催されていました。「新型コロナ対策で施設行事は控えていましたが、2023年度より再開しています。普段はこちらの広い空間を活かして、コミュニティカフェの運営や職員研修などを実施していて、災害時には避難が困難な方を受け入れる場所として機能する体制も整えています」。2023年度よりBCP(事業継続計画)委員会を設立し、災害発生時のBCP訓練にも取り組んでいるとのこと。
看護小規模多機能型居宅介護の通所フロア
看多機の通所フロアでは、スタッフと利用者の皆さんが迎えてくれました。家庭的な雰囲気ですね。「『利用者様第一主義』を貫くため、週に一度全職種でのカンファレンスを開いて、より良い施設づくりのための意見交換を行っています。看多機のスタッフは非常勤を合わせて約15名体制で(2023年7月)、介護スタッフは通い・宿泊・訪問サービスにシフト制で対応し、訪問看護は施設内の事業所に依頼しています」。
看護小規模多機能型居宅介護の入所フロア
看多機の入所フロアは、寝たきりで外出が難しい方のために、天井の壁紙を青空にして開放感を生んでいます。「利用者様の体調悪化時はもちろん、ご家族の休息のためのレスパイト、看取り支援など、幅広いニーズに応えていて、小規模なので、『同じ環境や同じ職員との関わりで症状が安定する』と言われる認知症の方にも適しています」。利用登録は最大29名で、他施設への入所が難しい方も積極的に受け入れているそうです。
そのだ居宅支援事業所
そのだ居宅支援事業所では、ケアマネージャーさん達が迎えてくれました。「苑田会グループは『断らない医療』の実現に全力を尽くしているため、当施設でも『断らない相談支援』をモットーに、多様な医療・福祉サービスをスムーズに利用できるよう支援しています。大半の居宅介護支援事業所では新規利用依頼からサービス開始までにタイムラグが生じますが、当事業所では基本的に即日対応できるよう努めているんです」。
施設内研修の様子
「こちらは、先日開催した施設内研修の様子です」と、写真を見せてくれました。「施設内研修はオンライン研修と対面研修を併用し、全事業所のスタッフに参加を募り、毎月さまざまテーマで開催しています。認定看護師などのスペシャリストによる講義や外部講師を招いた研修も充実していて、先日は認知症ケアにおけるアンガーマネージメントについて学びました」と、ケアマネージャーさん。
玄関前
特別に、訪問看護師さんのお仕事を見学させていただけることになりました。新人さんには先輩が訪問に同行する期間を設け、業務に慣れるまでペアで訪問先に行くそうです。これから何件のお宅を回るんですか?「午前中に2件、午後に4件です。大体1日6~7件のお宅を訪問していて、夜間はオンコール待機です」と、看護師さん。オンコールはあまり多くないですが、ご自宅が遠い方は夜間は施設内の仮眠室に宿泊しているそうです。
個人宅
まずは、個人宅への訪問です。どんな利用者様が多いですか?「老老介護・認認介護の世帯の方が多く、在宅で看取りを希望される方も増えています。訪問中に急変があっても、グループ病院が迅速に対応してくれるので安心です」と、看護師さん。昼食(1日250円の食事補助あり)はスケジュールに合わせて外食をしたり、事業所で食べたり、訪問先の近くにグループ病院があれば職員食堂の利用も可能とのこと。
株式会社 明昭が運営するサ高住
お次の訪問先は、苑田会グループの介護事業を担う株式会社明昭が運営するサ高住。施設への訪問も行っているんですね。「ええ。新人さんは先輩の同行訪問期間の終了後、いきなり個人宅に訪問するのはハードルが高いので、明昭運営のサ高住の居室訪問からスタートします。その後は、業務に慣れてから症状が落ち着いている個人宅の利用者様を任せていきます」。
そのだ訪問看護ステーション
最後は、「そのだ訪問看護ステーション」に行き、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師さん(写真左)と訪問看護認定看護師さん(写真中央)を紹介していただきました。「近年、苑田会グループではキャリア支援を強化していて、資格取得や外部研修・学会参加時などにサポートが受けられるんですよ」と、お2人。これから認定看護師を目指す方も大歓迎とのこと。今日はありがとうございました。
帰り道
――さまざまな在宅サービスを展開する複合型施設、いかがでしたか?
- 所長をはじめ、スタッフの皆さんの仕事のモチベーションが高く、地域の在宅療養者の生活を支えていくため全職種一丸となって取り組んでいる施設でした。近年、医療依存度の高い方や、認知症が進行している独居高齢者の方の利用などが増えているため、訪問看護師・介護スタッフ・ケアマネージャーの3職種を特に増やしたいそうです。
――苑田会グループであるメリットはいかがでしょう。
- 足立区を中心にさまざまな医療機関を展開する医療法人グループの一員なので、経営基盤が安定していて、教育制度も手厚く、待遇・福利厚生面も充実しています。また、医療連携がスムーズなことや、訪問看護未経験の場合はいきなり個人宅を訪問せずにグループのサ高住への訪問看護で慣れていくことができるという点も、魅力だと思います。
――では、ここはちょっと、という点はありましたか?
- 医療依存度の高い利用者様が多いという点が、訪問看護未経験だと敷居が高い感じがしますよね。ただ、未経験者も大歓迎とのことで、入職時教育やスキルアップ支援が充実していて、訪問看護ステーションのスタッフは在宅医療未経験で入職した方のほうが多いのだとか。
――最後に、ここだけの話を一つお願いします。
- 所長さんは、仕事を続けながら3人のお子さんを育て上げたので、仕事と子育ての両立に協力的で、働くママ・パパの強い味方です。働き方の希望にはできる限り寄り添っていて、残業削減のために、訪問看護は直行・直帰を認めているそうですよ。
地域に密着した高齢者複合施設でキャリアを磨きたい方
安定した運営母体のもと、未経験から在宅支援に携わりたい方